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萬葉集 かたかごの歌 縦書き 撮影:小沢昭巳 かたかご(カタクリ)
撮影:小沢昭巳
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よみかた
もののふの やそおとめらが くみまごう てらいのうえの かたかごのはな さくしゃ・おおとものやかもち まき十九 4143ばんか

もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ 寺井の上の かたかごの花 作者・大伴家持 巻十九・4143番歌


現代語訳

おおぜいの乙女たちが、入り乱れて水を汲(く)む、寺の井のほとりの、かたくりの花よ。

解説

 天平勝宝(てんぴょうしょうほう)2年(750)の旧暦3月2日によまれた歌。
 この春3月1日から3日早朝にかけて越中(えっちゅう)の地で大伴家持(おおとものやかもち)によってよまれた12首(しゅ)の歌は、いずれも秀作(しゅうさく)で、「越中秀吟(えっちゅうしゅうぎん)」とよばれ、桃・すもも・青柳(あおやぎ)・燕(つばめ)といった春の風物と共に、都への望郷(ぼうきょう)の念や春の愁(うれ)いの心がうたわれている。
 その中には、「春の苑(その) 紅(くれなゐ)にほふ 桃の花 下照(したで)る道に 出(い)で立つ娘子(をとめ)」(巻十九・4139)や「朝床(あさどこ)に 聞けば遙(はる)けし 射水川(いみづかは)…」(巻十九・4150)といった有名な歌も含まれる。
万葉の植物・かたかご

 かたかご(堅香子)は、ユリ科の多年草のカタクリのこととされるが、実はバイモ説なども存在する。
 カタクリは山野の木陰などの日陰に群生する植物。年間の大半を地中で過ごし、雪がとけて程なくすると向かいあった二枚の葉を出し、葉の間からつぼみを1個だけつけた花茎が伸び、ピンク色をした6弁の小さな花を咲かせる。
 葉や茎は食用でおひたしなどで食べる。地下茎からカタクリ粉を作った。
 富山県高岡市の人々の活動が実って、平成6年に350円切手の図柄として採用され、平成8年には高岡市の花となる。万葉集・八代集(はちだいしゅう)の中にかたかごの用例はこの歌のみ。
 高岡市では古城公園・水道つつじ公園・高岡市万葉歴史館・などで群生がみられるよう植えている。
用語

八代集(はちだいしゅう)
古今集(こきんしゅう)以下、平安初期から鎌倉初期までの8つの勅撰和歌集の総称。勅撰(ちょくせん)とは、天皇の命令で詩などを選び書物(しょもつ)を編纂(へんさん)すること。
  1.古今集(こきんしゅう)
  2.後撰集(ごせんしゅう)
  3.拾遺集(しゅういしゅう)
  4.後拾遺集(ごしゅういしゅう)
  5.金葉集(きんようしゅう)
  6.詞花集(しかしゅう)
  7.千載集(せんざいしゅう)
  8.新古今集(しんこきんしゅう)

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